外国人の方や企業のご担当者からよく聞かれる質問のひとつに、
「ビザと在留資格って同じ意味ですか?」というものがあります。

実はこの2つ、名前が似ていますが 役割も管轄もまったく違うもの です。
これから日本での手続きに関わる方に向けて、分かりやすくまとめてみました。


1. VISA(査証)とは?

VISA は、日本に“入国する前”に海外の日本大使館・総領事館が発行するものです。
正式名称は「査証」で、外務省が管轄しています。

✔ VISA の特徴

  • 発行機関:在外日本大使館(例:在中国日本大使館)
  • 役割:「日本に行ってもよい」という事前審査の合格のようなもの
  • 種類:現在およそ 10種類

VISA があることで日本への入国審査を受けられますが、
必ず入国できるという保証ではありません。


2. 在留資格とは?

在留資格は、日本に“滞在するための資格” を意味します。
日本に上陸した際、空港などで「上陸許可」とともに付与されます。
主管は法務省・出入国在留管理庁です。

✔ 在留資格の特徴

  • 上陸許可時に付与される
  • 種類は現在 29種類
  • 実際には在留資格のことを「ビザ」と呼ぶ人も多い
  • 4か月以上の在留資格 が付与される場合、「在留カード」が交付される
  • 在留カードは 常時携帯義務あり

3. 在留カードについて

中長期滞在者(4か月以上)には、
キャッシュカードサイズの 在留カード が交付されます。

  • 表面:氏名・生年月日・国籍・在留資格・期間
  • 裏面:住所情報
    ※短期滞在(90日など)の場合は在留カードは発行されず、パスポートにシールが貼られます。

4. ビザと在留資格の違いまとめ

項目VISA(査証)在留資格
タイミング日本に来る前日本で滞在する間
発行・主管在外日本大使館(外務省)上陸時に付与(法務省・入管庁)
役割入国のための事前審査日本で活動・滞在するための資格
種類約10種類29種類
カードなし在留カード(4か月以上)

このように、VISA は「入国前の許可」
在留資格は「滞在中の活動のルール」 という、大きな違いがあります。

今後留学生のサポートや企業の外国人採用に関わる方にも、
知っておくと役に立つ基本知識です。