留学生が資格外活動許可の制限時間を超えて働いた場合、それは単なる「ルール違反」ではなく「不法就労」となります。
目次
1. 会社が問われる「不法就労助長罪」の恐怖
留学生本人が「もっと働きたい」と言ったから、という理由は通用しません。会社には以下の罰則が科される可能性があります。
- 罰則の内容: 3年以下の拘禁刑、または300万円以下の罰金(もしくはその併科)。
- 過失の有無: 「28時間ルールを知らなかった」「うっかり確認を忘れた」という過失であっても、処罰の対象となります。
- 社会的制裁: 罰則を受けると、その後数年間は「新たな外国人の採用(在留資格の取次)」が認められなくなるという、事業継続に関わる致命的なダメージを受けます。
2. 現場で発生しやすい「時間超過」の3つの罠
管理不足による違反は、多くの場合、以下のパターンで発生します。
- 「掛け持ち」の未把握: 28時間は「1社あたり」ではなく「すべての職場を合算して」の時間です。他社で10時間働いている学生は、自社では18時間しか働けません。
- 「残業代」を含めた計算ミス: 28時間は「実労働時間」です。1分でも超えればアウトです。繁忙期に「あと30分だけ」と頼む行為が、不法就労の引き金になります。
- 「長期休業期間」の誤解: 夏休みなどの長期休業中は「1日8時間・週40時間」まで可能ですが、これは「学校が定めた期間」に限られます。学生個人の自己申告ではなく、学校発行の「長期休業期間証明書」を確認しなければなりません。
3. リスクを回避する「シフト管理」3カ条
会社を守るためには、現場の店長やリーダー任せにせず、組織としての仕組み作りが必要です。
① 「他社での就労状況」の書面化
採用時および定期的に、他社でアルバイトをしていないか、している場合は何時間かを書面(申告書)で提出させ、記録を残します。
② シフト管理ソフトでの「27時間アラート」設定
28時間ぎりぎりを狙うと、端数の切り上げ等で容易にオーバーします。自社での上限を「週25時間〜27時間」に設定し、それを超えそうになるとアラートが出るシステムを導入しましょう。
③ 給与支払明細とタイムカードの照合
入管の調査が入った際、タイムカードと実際の給与振込額が一致しない(=裏で現金を渡している、時間を隠している)と判断されると、悪質とみなされ即座に刑事告発される恐れがあります。
まとめ:管理は「冷たさ」ではなく「守り」
「もっと稼ぎたい」という留学生の要望に応えることは、結果的に彼らのビザを奪い、会社を危機にさらすことになります。
「ルールを守らせることこそが、彼らの将来と会社を守ることになる」という強い姿勢でシフト管理に臨んでください。