「日本で働いて生活基盤ができたから、母国の両親を呼びたい」と考える方は多いですが、日本は高齢者の呼び寄せに対して非常に厳しい姿勢をとっています。現在、可能性があるのは以下の3パターンです。
目次
1. 【極めて例外】「特定活動(老親扶養)」
これが一般的に「親を呼ぶ」と言われるものですが、法務大臣が個別に判断する「告示外の特定活動」であり、ハードルは非常に高いです。
許可されるための「4つの必須条件」
入管が公表している明確な基準はありませんが、実務上、以下のすべてを満たす必要があります。
- 高齢であること: おおむね70歳以上(病気などの事情があれば60歳代後半でも可能な場合あり)。
- 母国に身寄りがないこと: 本国に配偶者や他の子供(兄弟姉妹)がおらず、親を世話できる人が一人もいないこと。
- 扶養能力があること: 日本にいる呼び寄せ側(あなた)に、親を養える十分な収入と居住スペースがあること。
- 人道的な必要性: 親が病気がちで一人暮らしが困難であるなど、日本で引き取るしかない理由。
2. 【エリート層向け】高度専門職ビザによる呼び寄せ
あなたが「高度専門職」の在留資格を持っている場合、一定の条件下で親を呼ぶことが正式に認められています。
主な条件
- 高度専門職(またはその配偶者)の「7歳未満の子供」を養育する場合。
- または、高度専門職の「妊娠中の配偶者」の介助をする場合。
- 世帯年収が800万円以上であること。
- 高度専門職の親、または配偶者の親のどちらか1組のみ。
※このルートは、あくまで「子育てのサポート」が目的のため、子供が7歳になると親は帰国しなければならないのが原則です。
3. 【短期】短期滞在ビザ(親族訪問)
「一緒に暮らす」ことはできませんが、一時的に日本に呼ぶことは可能です。
- 期間: 最大90日間。
- 用途: 観光、病気の見舞い、冠婚葬祭、出産の手伝いなど。
- 更新: 原則として更新はできません。一度帰国する必要があります。
実情:なぜこんなに難しいのか?
日本の社会保障制度(健康保険や年金)への影響を懸念しているためです。高齢の親を呼ぶと、すぐに医療費がかかる可能性が高いため、国は「現役世代の呼び寄せ」には積極的ですが、「高齢者の呼び寄せ」には極めて慎重です。
成功させるためのヒント
もし「老親扶養」での呼び寄せを検討されているなら、以下の準備が重要です。
- 理由書の作成: なぜ他の兄弟ではなく、日本にいるあなたが面倒を見なければならないのか、論理的な説明。
- 医療保険の検討: 民間の医療保険への加入検討など、日本の公的保険に頼りすぎない姿勢を示す。
- 専門家への相談: 非常に不許可率が高い申請のため、実績のある行政書士に依頼するのが一般的です。