日本国内の在留外国人数は、2025年末に初めて413万人を突破し、過去最多を更新し続けています。外国人労働者数も257万人に達し、日本経済において欠かせない存在となっています。

しかし、2026年は単なる「数」の増加にとどまりません。2027年の「育成就労制度」への移行を控え、入管政策はまさに「歴史的な転換点」を迎えています。今回は、実務の最前線から見える国別動向と、最新の法改正がビジネスに与える影響を深掘りします。

1. 国別動向と在留資格の現在地

現在、日本で活躍する外国人の出身国は上位4か国で全体の約6割を占めますが、その内訳と在留資格には明確な特徴があります。

国籍在留人数(2025年末推計)主な在留資格と傾向
中国約90.1万人「経営・管理」「技人国」。高度人材・起業家層が厚い。
ベトナム約66.0万人「特定技能」「技能実習」。製造・建設現場の主力。
韓国約41.0万人「永住者」「技人国」。ITやビジネス・サービス業。
フィリピン約35.0万人「定住者」「特定技能」。介護や建設分野で急増。

特に注目すべきは、ネパール(約27万人)やインドネシア(約23万人)、ミャンマー(約16万人)の急成長です。これらの国々は増加率が前年比15〜20%に達しており、特定技能や外食・サービス業の新たな供給源として重要性が高まっています。

2. 2026年、実務家が注視する「3つの激変」

今、経営者が知っておくべきは、2026年3月に閣議決定された内容を含む以下の3点です。

① 特定技能「19分野」への拡大と育成就労の足音

2026年、特定技能に「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環(廃棄物処理)」の3分野が正式に追加されました。

  • 実務のポイント: 2027年からの「育成就労制度」開始を見据え、2026年4月が「技能実習3号」へのスムーズな移行を確保するためのデッドラインとなるケースがあります。今すぐ人員計画を逆算する必要があります。

② 手数料の上限引き上げと審査の厳格化

2026年3月の入管法改正案により、在留許可申請の手数料上限が大幅に引き上げられる方針となりました。

  • 変更案: 変更・更新は最大10万円、永住許可は最大30万円。これは、審査の高度化(AI活用やバックグラウンドチェック)に伴うコストを反映したものです。特に「永住者」については、税・社会保険の未納がある場合の「許可取消規定」が新設されるなど、「共生ルールへの遵守」がこれまで以上に厳しく問われます。

③ 「特定在留カード」とデジタルノマドの本格始動

2026年6月より、在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用が始まります。

  • DXの加速: 雇用主側の管理コストは下がりますが、不法就労チェックのデジタル化も進みます。また、2026年春から本格導入された「デジタルノマドビザ」により、海外の高度IT人材が日本を拠点に活動するケースが増え、企業の「外部専門家活用」の選択肢が広がっています。

3. 海外と日本を繋ぐ「実務パートナー」として

制度が複雑化・厳格化する中で、企業に求められるのは「適法な受け入れ」を維持しつつ「優秀な人材を逃さない」戦略です。

最新の法改正を精査し、国ごとの特性に合わせた最適なビザを提案すること。そして、2027年以降の大きな制度変更から逆算したスケジュールを管理すること。

単なる書類の作成を超え、海外と日本、人とビジネスを強固に繋ぐ実務パートナーとして伴走することが、この激動期における行政書士の本来の役割です。