入管から不許可通知が届いたとき、最もやってはいけないのは、絶望して放置すること、あるいは理由もわからず闇雲に再申請することです。

不許可には必ず「原因」があります。その原因を正確に把握するための「不許可理由のヒアリング」こそが、日本に残るための最も重要なプロセスです。今回は、いつ、どのように理由を聞き、どう次へつなげるべきかを徹底解説します。

1. 不許可理由は「対面」でしか教えてもらえない

まず知っておくべきは、不許可通知のハガキや封書には、本当の理由は書かれていないということです。

  • 電話相談は不可: 入管に電話をしても、具体的な不許可理由は一切教えてくれません。
  • 一度きりの面談: 原則として、一つの申請に対する理由説明は「1回限り」です。後日「また聞き直したい」と思っても、窓口での対応は拒否されるのが通例です。
  • 場所: 管轄の出入国在留管理局の専用窓口(相談部門など)へ直接出向く必要があります。

2. 準備がすべて:ヒアリングに持参する三種の神器

理由を聞きに行く前に、準備が整っていなければ、せっかくの機会を無駄にしてしまいます。

  1. 提出した申請書類のコピー(一式): 審査官はあなたが提出した書類を見ながら説明します。どの箇所の、どの記述が問題視されたのかを特定するために、自分の手元にも同じ資料がなければ話になりません。
  2. 不許可通知書(ハガキまたは封書): これが「理由を聞く権利」の証明書となります。
  3. 詳細なメモ帳と筆記用具: 録音は禁止される場合が多いです。審査官が口にする言葉は、再申請のための「答え」そのものです。一言一句漏らさず書き留める覚悟が必要です。

3. 審査官から引き出すべき「4つの重要事項」

窓口では、審査官は最初は定型的な説明しかしてくれません。納得いくまで以下の内容を質問してください。

  • 「具体的に」どの要件が足りなかったのか? 「生計維持能力」と言われたら、年収が足りないのか、それとも課税証明書などの書類の不備なのか、明確なポイントを特定します。
  • 提出書類に「疑わしい点」があったか? 書類の内容に矛盾があったのか、あるいは偽造を疑われているのか。ここを明確にしないと、何度出しても不許可になります。
  • 他に不許可の理由はなかったか?(最重要) 一番大きな理由を一つ聞くと満足してしまいがちですが、他にもマイナス点があるはずです。「他にはありませんか? これさえ解決すれば次は通りますか?」と、すべてのハードルを洗い出してください。
  • 再申請の「受け付け」は可能か? 「今の条件のままでは何度出しても同じ」と言われるのか、「不足している〇〇を補えば、再申請は可能」というニュアンスなのかを確認します。

4. 理由を聞いた後の「リカバリー戦略」

理由を聞き取ったら、すぐに再申請の戦略を立てます。

  • 「特定活動(出国準備)」への切り替え: 更新申請が不許可だった場合、その場で出国準備のためのビザ(30日または31日)に変更されることが一般的です。31日の期間が与えられれば、その期間内に再申請を行うことで、結果が出るまで日本に留まり続けることが可能です。
  • 理由書の抜本的な修正: 指摘された不許可理由を、客観的な証拠(追加の証明書や公的書類)によって一つずつ打ち消していく「上書き」の理由書を作成します。

5. 専門家(行政書士)を同行させるメリット

「日本語に自信がない」「審査官の厳しい指摘に冷静に対応できる自信がない」という場合は、入管業務に精通した行政書士に同行を依頼することをお勧めします。

プロが同行することで、

  • 審査官の本音を引き出す「適切な質問」ができる
  • 指摘された内容から、即座に再申請の勝算を判断できる
  • 感情的にならず、法的な観点から建設的な議論ができる といった大きな利点があります。

まとめ

入管の不許可は、ゲームオーバーではありません。しかし、不許可理由のヒアリングを曖昧に済ませてしまうと、再逆転のチャンスは永遠に失われます。

「なぜダメだったのか」を正確に把握し、戦略的に次の一手を打つ。このステップを丁寧に行うことが、日本での安心した生活を取り戻す唯一の道です。