技能実習生を受け入れる企業・事業者から、非常によく聞かれるのが「技能実習生の給与はいくら支払えばよいのか?」という質問です。
結論から言うと、技能実習生の給与は日本人と同等以上でなければなりません。この記事では、技能実習生の給与に関する基本ルール、最低賃金との関係、よくある誤解や注意点を分かりやすく解説します。
技能実習生の給与の基本ルール
技能実習制度は「人材確保」を目的とした制度ではなく、技能・技術・知識の移転を目的とした制度です。そのため、賃金についても厳格なルールが定められています。
日本人と同等以上の報酬が原則
技能実習生には、以下が求められます。
- 同じ業務に従事する日本人と同等以上の賃金
- 最低賃金を必ず上回ること
- 時給・月給いずれの場合も不利な取扱いは禁止
「外国人だから安くしていい」という考えは完全にNGです。
最低賃金との関係
技能実習生にも、最低賃金法がそのまま適用されます。
- 都道府県別最低賃金
- 特定産業別最低賃金(該当する場合)
どちらか高い方を基準に給与を設定する必要があります。
例:
地域別最低賃金1,000円/特定産業別最低賃金1,050円
→ 1,050円以上が必要
残業代・割増賃金の扱い
技能実習生であっても、労働基準法は全面的に適用されます。
- 時間外労働:25%以上の割増
- 深夜労働(22時〜5時):25%以上の割増
- 休日労働:35%以上の割増
「実習生だから残業代なし」は違法です。
控除できるもの・できないもの
給与から控除できるものにも注意が必要です。
控除できる主なもの
- 所得税・住民税(条件あり)
- 社会保険料
- 雇用保険料
- 寮費・水道光熱費(実費かつ合理的な金額)
控除できない・問題になりやすいもの
- 不明確な「管理費」「指導費」
- 実態のない高額な寮費
- 一方的に決めた罰金・違約金
これらは監理団体・企業ともに指導や処分の対象となることがあります。
よくある誤解
「技能実習生は最低賃金でいい?」
最低賃金を下回るのは論外ですが、日本人が同じ業務でそれ以上もらっている場合は、同水準が必要です。
「見習い期間は安くしていい?」
日本人にも同じ扱いがなければ認められません。技能実習生だけを理由に下げることはできません。
給与違反が発覚した場合のリスク
給与に関する違反があると、以下のようなリスクがあります。
- 是正勧告・指導
- 技能実習計画の認定取消
- 受入停止処分
- 企業名の公表
結果として、今後外国人を受け入れられなくなる可能性もあります。
まとめ|給与設計は必ず事前確認を
技能実習生の給与は、
- 日本人と同等以上
- 最低賃金を確実にクリア
- 残業代・控除ルールを厳守
が大前提です。
「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断は非常に危険です。受入前の段階で、監理団体や専門家に確認することをおすすめします。
給与設計に不安がある場合は、制度と実務の両方を理解した専門家に相談することが、結果的に企業を守る近道になります。