日本でホワイトカラーとして働くための最も一般的なビザ、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」。 申請を準備する中で、多くの方が不安に思うのが「日本語能力の証明」です。

「N1を持っていないとダメですか?」「試験を受けていないと不許可になりますか?」 そんな疑問に、たまご行政書士が実務の視点からお答えします。

1. 実は「N1必須」ではありません

結論から言うと、入管法上「技人国」の要件に「日本語能力試験〇級以上」という明確な数値基準はありません。 しかし、「その仕事の内容を、日本語で遂行できるかどうか」は厳しくチェックされます。

業務内容によって、求められる「実質的なレベル」は変わります。

  • ITエンジニア(技術):N3〜N4程度〜 共通言語がプログラミングコードであるため、日本語レベルが多少低くても、技術力が証明できれば許可の可能性があります。
  • 企画・事務・経理(人文知識):N2程度〜 社内会議や書類作成が中心となるため、スムーズなコミュニケーション力が求められます。
  • 通訳・翻訳(国際業務):N1〜N2必須 言葉を扱うプロとしての申請なので、高い語学力の証明が不可欠です。

2. 「学歴」が日本語力の証明になる

「試験を受けていないから証明できない」と諦める必要はありません。

  • 日本の大学・専門学校を卒業している方 日本の教育機関を卒業した事実は、「授業を理解できる日本語力がある」という最大の証明になります。改めて合格証を提出しなくても、卒業証書がその代わりを果たします。
  • 海外の大学を卒業し、日本語学校にも通っていない方 この場合は、JLPT(日本語能力試験)の合格証や、BJT(ビジネス日本語テスト)のスコアを提出するのが王道です。

3. 落とし穴!「業務内容」とのミスマッチ

入管が一番見ているのは、「その日本語力で、本当にその仕事ができるの?」という一貫性です。

例えば、「高い日本語能力を活かした翻訳業務」として申請しているのに、日本語能力試験の結果がN4だったり、面談(必要な場合)で会話が成立しなかったりすると、「実態は単純労働ではないか?」と疑われる原因になります。

羅針盤からのアドバイス:理由書で「根拠」を示そう

日本語能力に少し不安がある、あるいは試験の結果を持っていないという場合でも、「理由書」での補足が可能です。

「入社後の研修体制が整っている」「英語メインのプロジェクトに従事する」など、個別の事情を論理的に説明することで、道が開けるケースは多々あります。

ビザの申請は、あなたのキャリアという航海の大切な一歩。 「自分の日本語レベルで大丈夫かな?」と迷ったら、まずは一度ご相談ください。一緒に最適なルートを探しましょう。